世界のスパイス・ハーブ・オイル図鑑

スパイス・ハーブ・オイルは、いずれも植物に由来する香りや風味で料理を彩る食材ですが、同時に古くから「体の調子を整えるもの」として扱われてきた共通点を持っています。一般に、種子・果実・樹皮・根・花など植物の硬い部分を乾燥させて使うものを「スパイス」、葉や茎など柔らかい部分を主に生や乾燥のまま使うものを「ハーブ」と呼び分けますが、インドのアーユルヴェーダや中国の伝統医学、ヨーロッパの修道院医学など、世界各地の伝統的な医療体系では、その多くが単なる調味料ではなく、消化を助け、体を温め、あるいは心を落ち着かせるための薬草として位置づけられてきました。中世ヨーロッパで胡椒などのスパイスが金と同等の価値で取引され、大航海時代の直接的な動機になった背景にも、こうした薬効への期待があったといわれています。植物の種子や果実から搾油して作られる食用オイルもまた、含まれる脂肪酸の種類やビタミンEなどの成分によって、心血管の健康や肌の調子と結びつけて語られることの多い食材です。

この記事では、世界各地の料理を支える代表的なスパイスとハーブ、そして種子や果実から作られる食用オイルを取り上げ、それぞれの香りや特徴・原産国・代表的な料理とあわせて、伝統的にどのように体調を整えるために利用されてきたか、その健康効果や薬用としての側面にも触れながら紹介します。

スパイス

黒コショウ

黒コショウは、コショウ科のつる性植物Piper nigrumの実を未成熟なうちに収穫し、皮ごと乾燥させて作るスパイスで、ピペリンという成分に由来する強い辛味と、皮に含まれる精油による爽やかな香りを特徴とします。原産地はインド南西部のマラバル海岸で、中世ヨーロッパでは同じ重さの銀と交換されるほど高価な貿易品として扱われました。「スパイスの王様」とも呼ばれ、肉料理のソースやステーキの下味、パスタのペペロンチーノなど、世界中でもっとも普遍的に使われるスパイスです。

クミン

クミンはセリ科の植物の種子を乾燥させたスパイスで、土っぽく個性の強い香りとほのかな苦味を特徴とし、カレー特有の香りの中心を担う成分として知られています。原産地は地中海東部からエジプトにかけての地域とされ、現在ではインドが最大の生産国です。インドのカレーやダール(豆料理)、メキシコのチリコンカン、中東のフムスや羊肉料理など、幅広い地域の煮込み料理に欠かせないスパイスです。

コリアンダー

コリアンダーは同じ植物の種子と葉茎で香りがまったく異なることで知られるスパイスで、種子を乾燥させたものは柑橘系の甘くさわやかな香りを持ち、生の葉(パクチー、香菜)の青臭く強い香りとは対照的です。地中海沿岸から西アジアが原産とされ、インドではクミンと並んでカレー粉の基本原料として欠かせません。種子はカレー粉やピクルスの香り付けに、葉は東南アジアやメキシコ料理の薬味・トッピングとして広く使われています。

ターメリック

ターメリックはショウガ科ウコンの根茎を乾燥させて粉末にしたスパイスで、クルクミンという色素成分による鮮やかな黄色と、土っぽくほろ苦い香りを特徴とします。原産地はインド亜大陸から東南アジアにかけての熱帯地域とされ、インドでは古くから香辛料としてだけでなく染料や薬用としても利用されてきました。カレー粉の黄色の元となるスパイスであり、インドのカレー全般のほか、中東のピラフ、日本の沖縄料理(ウコン茶)などにも用いられます。

シナモン

シナモンはクスノキ科の樹木の樹皮を乾燥させて作るスパイスで、甘く温かみのある独特の香りを特徴とし、香りの主成分は桂皮アルデヒドです。スリランカ産の樹皮を用いる「セイロンシナモン」と、中国南部からベトナムにかけて産する近縁種カシアを用いる「カシアシナモン」に大別され、前者はより繊細な香り、後者はより強く刺激的な香りを持ちます。原産地はスリランカ・南インド・中国南部で、洋菓子(シナモンロールやアップルパイ)やチャイ、中東・北アフリカの肉の煮込み料理などに幅広く使われています。

クローブ

クローブ(丁子)はフトモモ科チョウジノキのつぼみを乾燥させて作るスパイスです。 オイゲノールという成分による強く甘い芳香と、麻酔作用にも似たピリッとした刺激が特徴です。 原産地はインドネシアのモルッカ諸島(香料諸島)で、大航海時代にはこの島々の支配権をめぐってヨーロッパ列強が争いました。 ハムの香り付けやスパイスケーキ、インドのビリヤニ、中国の五香粉など、肉の臭み消しから菓子作りまで用途の広いスパイスです。

カルダモン

カルダモンはショウガ科の植物の実を乾燥させたスパイスで、莢(さや)の中に詰まった小さな種子から、清涼感のある強い芳香が立つのが特徴です。緑色の莢を使う「グリーンカルダモン」と、燻製にして作る風味の強い「ブラックカルダモン」があり、前者が一般に広く使われます。原産地はインド南部からスリランカにかけての地域で、「スパイスの女王」とも呼ばれます。インドのチャイやビリヤニ、北欧の菓子パン、中東のコーヒー(カフワ)の香り付けなど、甘い料理にも塩気のある料理にも使われる万能なスパイスです。

ナツメグ

ナツメグはニクズク科の樹木の種子の仁を乾燥させたスパイスで、甘く濃厚な香りと、わずかにピリッとした刺激を特徴とします。同じ果実の種子を覆う仮種皮を乾燥させたものは「メース」と呼ばれ、より繊細な香りを持つ近縁のスパイスです。原産地はクローブと同じくインドネシアのモルッカ諸島で、こちらも大航海時代のスパイス貿易の主役でした。ホワイトソースやミートローフ、パンプキンパイなどの洋菓子、ドイツのソーセージの香り付けなど、乳製品や挽き肉料理との相性の良さで知られています。

サフラン

サフランはアヤメ科サフランの花のめしべを乾燥させて作るスパイスで、1つの花から3本しか採れないめしべを手摘みで集める必要があるため、世界でもっとも高価なスパイスとして知られています。クロシンという色素による鮮やかな黄金色と、蜂蜜にも似た独特の芳香を特徴とし、原産地は地中海東部から西アジアにかけての地域とされます。現在はイランが世界最大の生産国です。スペインのパエリア、イタリアのリゾット・アッラ・ミラネーゼ、フランスのブイヤベースなど、料理を黄金色に染める高級スパイスとして地中海料理で重用されています。

唐辛子

唐辛子はナス科の植物の果実を乾燥させたスパイスで、カプサイシンという成分による直接的な辛味を特徴とし、乾燥・粉砕の方法によって粗挽きのチリフレークから粉末のカイエンペッパー、パプリカまで多様な形態があります。原産地は中南米で、大航海時代以降にコロンブスの交換によって世界中に広まり、今日ではインド・韓国・中国・ハンガリーなど各地の料理に定着しました。韓国のキムチ、インドのカレー、ハンガリーのグヤーシュ、メキシコのサルサなど、世界各地の郷土料理の辛味と色の主役を担っています。

スターアニス

スターアニス(八角)はシキミ科の樹木の果実を乾燥させたスパイスで、星形の莢が特徴的な見た目を持ち、アネトールという成分による甘く強い香りはアニスシードとよく似ています。原産地は中国南部からベトナム北部にかけての地域で、中国の五香粉(五種類のスパイスを合わせた調味料)を構成する主要なスパイスの1つです。中国の紅焼肉(豚肉の醤油煮込み)や、ベトナムのフォーのスープの香り付けなど、東アジア・東南アジアの煮込み料理に欠かせない存在です。

ジンジャー

ジンジャー(生姜)はショウガ科ショウガの根茎を用いるスパイスで、ジンゲロールという成分による爽やかな辛味と独特の香りを特徴とし、生のまま・乾燥させて粉末にする・砂糖漬けにするなど加工法によって風味の印象が大きく変わります。原産地は東南アジアの熱帯地域とされ、古くから中国・インドの伝統医学でも薬用として重用されてきました。日本の生姜焼きや紅生姜、インドのチャイ、イギリスのジンジャーブレッドやジンジャーエールなど、東西を問わず甘い菓子から塩気のある料理まで幅広く使われています。

ハーブ

バジル

バジルはシソ科の植物の葉を主に生のまま用いるハーブで、丁子にも似た甘く清涼感のある香りを特徴とします。原産地はインドから熱帯アジアとされ、地中海地域では紀元前から栽培されてきました。イタリア料理のジェノベーゼソースやカプレーゼ、トマトソースのパスタなど、地中海料理に欠かせない香草です。タイ料理で使われる近縁種のホーリーバジル(ガパオ)も同じ仲間にあたります。

パセリ

パセリはセリ科の植物の葉を用いるハーブで、青々とした爽やかな香りとほのかな苦味を特徴とし、彩りを添える付け合わせとしても頻繁に使われます。原産地は地中海沿岸とされ、葉が縮れた「カーリーパセリ」と葉が平らな「イタリアンパセリ(フラットリーフパセリ)」に大別されます。フランス料理のブーケガルニやタブレ(中東のサラダ)、日本の洋食の付け合わせなど、世界中の料理で香りと彩りの両面から用いられています。

ローズマリー

ローズマリーはシソ科の常緑低木の葉を用いるハーブで、樟脳(しょうのう)にも似た強く鋭い香りを特徴とします。原産地は地中海沿岸で、乾燥にも強く育てやすいことから古代ローマの時代から庭で栽培されてきました。羊肉や鶏肉のロースト、じゃがいものオーブン焼き、フォカッチャなど、香りの強い肉料理やパンとの相性の良さで知られています。

タイム

タイムはシソ科の小低木の葉を用いるハーブで、清涼感のある爽やかな香りとかすかな苦味を特徴とし、加熱しても香りが飛びにくいため煮込み料理に向いています。原産地は地中海沿岸で、フランス料理のブーケガルニを構成する定番のハーブの1つです。フランスのポトフやブイヤベース、地中海料理の魚介の煮込みなど、長時間の加熱調理に多用されます。

オレガノ

オレガノはシソ科の植物の葉を用いるハーブで、乾燥させることでより香りが強くなる珍しい性質を持ち、スパイシーでやや土っぽい独特の芳香を特徴とします。原産地は地中海沿岸から西アジアにかけての地域で、ギリシャ語で「山の喜び」を意味する言葉に由来するとされます。イタリアのピザソースやトマトソース、ギリシャのグリークサラダなど、トマトとの組み合わせで特に知られるハーブです。

ミント

ミントはシソ科の植物の葉を用いるハーブで、メントールという成分による清涼感の強い香りとひんやりとした後味を特徴とします。原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域とされ、スペアミントやペパーミントなど多くの品種があります。モロッコのミントティー、中東のタブレやラム肉料理、モヒートなどのカクテル、デザートの飾り付けなど、飲み物から料理まで幅広く使われています。

ディル

ディルはセリ科の植物の葉を用いるハーブで、コショウやアニスにも似たすっきりとした甘い香りを特徴とし、魚料理との相性の良さから「魚のハーブ」とも呼ばれます。原産地は地中海東部から西アジアにかけての地域で、北欧・東欧諸国では特に馴染み深いハーブです。北欧のグラブラックス(サーモンのマリネ)やロシアのボルシチ、ピクルスの香り付けなど、魚介や酢漬け料理でよく使われます。

セージ

セージはシソ科の植物の葉を用いるハーブで、樟脳のような強い芳香とほろ苦さを特徴とし、脂の多い肉料理の臭み消しに適しています。原産地は地中海沿岸で、英語名は「賢い」を意味するラテン語に由来し、古くから薬用ハーブとしても重用されてきました。イタリアのサルティンボッカ(仔牛肉の生ハム巻き)、感謝祭の七面鳥の詰め物(スタッフィング)、バターソースの香り付けなど、豚肉・鶏肉との組み合わせでよく知られています。

ローリエ

ローリエ(月桂樹の葉)はクスノキ科の樹木の葉を乾燥させて用いるハーブで、単体では控えめながら、煮込むことでほのかに甘く清涼感のある香りをスープ全体に移すのが特徴です。原産地は地中海沿岸で、古代ギリシャ・ローマでは勝者に月桂冠を授ける栄誉の象徴でもありました。フランス料理のブーケガルニ、カレーやシチューの煮込み、ピクルスの漬け汁など、香りの土台を作る名脇役として世界中で使われています。

シソ

シソはシソ科の植物の葉を用いる日本の代表的なハーブで、ペリラアルデヒドという成分による強い清涼感と独特の香りを特徴とし、緑色の「青ジソ(大葉)」と赤紫色の「赤ジソ」に大別されます。原産地はヒマラヤから中国・ミャンマーにかけての地域とされ、日本には古くから伝わり薬味として定着しました。刺身のつまや天ぷら、梅干しの色付け(赤ジソ)、冷奴の薬味など、日本料理において欠かせない香味野菜です。

カモミール

カモミールはキク科の植物の花を乾燥させて用いるハーブで、リンゴにも似た甘く穏やかな香りと、鎮静作用があるとされる性質を特徴とします。原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域で、古代エジプトでは太陽神に捧げる神聖な薬草として扱われていました。就寝前に飲むハーブティーの定番として広く親しまれているほか、入浴剤や、胃腸の不調・炎症を和らげる民間薬としてもヨーロッパで古くから利用されてきました。

エキナセア

エキナセアはキク科の植物の根や地上部を用いるハーブで、料理の香り付けよりもハーブティーやサプリメントとして利用される点が他の多くのハーブと異なります。原産地は北米大陸で、先住民が古くから傷の治療や感染症予防のための薬草として用いてきました。現在では風邪やインフルエンザの予防・症状緩和を目的としたハーブティーやエキス剤の原料として、欧米を中心に広く利用されています。

ラベンダー

ラベンダーはシソ科の植物の花穂を用いるハーブで、甘く上品な芳香とわずかな清涼感を特徴とし、リラックス効果があるとされることから安眠を目的としたハーブティーによく使われます。原産地は地中海沿岸で、古代ローマでは入浴剤として利用されており、ラテン語で「洗う」を意味する言葉が名前の由来とされています。ハーブティーのほか、焼き菓子の香り付けやポプリ、アロマオイルの原料としても広く親しまれています。

レモングラス

レモングラスはイネ科の植物の葉を用いるハーブで、シトラールという成分によるレモンに似たさわやかな柑橘系の香りを特徴とします。原産地は南インドから東南アジアにかけての地域で、熱帯・亜熱帯の湿潤な気候で広く栽培されています。タイのトムヤムクンやベトナム料理の香り付けに使われるほか、消化を助けるとされるハーブティーとしても人気があります。

レモンバーム

レモンバームはシソ科の植物の葉を用いるハーブで、レモンに似た爽やかな香りとシソ科特有のほのかな甘みを特徴とします。原産地は地中海沿岸から西アジアにかけての地域で、属名の「メリッサ」はギリシャ語で蜜蜂を意味し、古代ギリシャの時代から養蜂とともに栽培されてきました。鎮静作用があるとされ、不安や不眠を和らげるハーブティーとして広く飲まれています。

ハイビスカス

ハイビスカスはアオイ科の植物の萼(がく)を乾燥させて用いるハーブで、鮮やかな赤色と酸味の強いさっぱりとした風味を特徴とします。原産地は熱帯アフリカとされ、エジプトでは「カルカデ」と呼ばれる冷たいハーブティーとして古くから親しまれてきました。ビタミンCやクエン酸を豊富に含むことから疲労回復を目的として飲まれることが多く、ローズヒップなど他のハーブとブレンドされることもよくあります。

ローズヒップ

ローズヒップはバラ科バラの果実を乾燥させて用いるハーブで、甘酸っぱい風味とほのかな香りを特徴とします。原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域で、第二次世界大戦中のイギリスでは柑橘類の輸入が滞った際にビタミンC源として国を挙げて活用されたという歴史を持ちます。「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれるほど豊富にビタミンCを含み、美容や風邪予防を目的としたハーブティーの定番として親しまれています。

リンデン(菩提樹)

リンデン(西洋菩提樹)はシナノキ科の樹木の花を用いるハーブで、蜂蜜にも似た甘くやさしい香りを特徴とします。原産地はヨーロッパで、フランスでは「ティユール」と呼ばれ、街路樹としても親しまれる身近な植物です。鎮静・発汗作用があるとされ、就寝前やリラックスしたいときに飲むハーブティーとして、ヨーロッパで古くから親しまれてきました。

オイル

オリーブオイル

オリーブオイルはモクセイ科オリーブの果実を搾って作るオイルで、原産地は地中海沿岸東部とされ、現在はスペイン・イタリア・ギリシャが世界有数の生産国です。古代ギリシャ・ローマでは食用だけでなく灯火・儀式用の油としても重用され、オリンピックの勝者にオリーブの冠が贈られたことにもその神聖視ぶりが表れています。

搾油方法や酸度によって、一番搾りで風味豊かな「エキストラバージンオリーブオイル」から精製した「ピュアオリーブオイル」まで等級が分かれ、サラダなどの生食から加熱調理まで幅広く使われます。一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸と、抗酸化作用を持つポリフェノールを豊富に含み、地中海食が心血管疾患のリスク低減と関連づけられる根拠の1つとしてしばしば取り上げられています。

ごま油

ごま油はゴマ科ゴマの種子を搾って作るオイルで、原産地はアフリカまたはインドとされ、乾燥に強い作物として熱帯・亜熱帯各地で古くから栽培されてきました。古代エジプトやインダス文明の遺跡からも利用の痕跡が見つかっており、中国・日本には仏教の伝来とともに精進料理の油として伝わったとされます。

生の種子から搾る淡い色の「太白胡麻油」と、焙煎した種子から搾る香ばしい「焙煎ごま油」があり、前者は天ぷら油、後者は中華料理や韓国のナムルの仕上げの香り付けに使われます。抗酸化成分セサミンを含み、加熱に比較的強く酸化しにくい性質を持つことから、コレステロール値の改善に寄与する可能性が研究で報告されています。

ココナッツオイル

ココナッツオイルはヤシ科ココヤシの果実の胚乳(コプラ)から作るオイルで、原産地は東南アジアから南太平洋にかけての熱帯地域とされ、現在はフィリピンやインドネシアが主要な生産国です。ポリネシアなど太平洋の島嶼文化では、ココヤシは食用・化粧用・儀式用の油をもたらす神聖な植物として扱われてきました。

常温で固まる性質を活かして東南アジアやインド南部のカレー、南国風の焼き菓子などに使われるほか、近年は欧米でスムージーやコーヒーに加える健康志向の食材としても人気を集めています。中鎖脂肪酸(MCT)を多く含みエネルギーとして代謝されやすいとされる一方、飽和脂肪酸の含有量自体は高いため、摂取量には注意が必要だとする指摘もあります。

アボカドオイル

アボカドオイルはクスノキ科アボカドの果肉から作るオイルで、原産地はメキシコから中央アメリカにかけての地域とされ、現在もメキシコが主要な生産国です。アボカド自体は中南米の先住民が古くから食用・薬用に利用してきた植物で、オイルとしての商品化は搾油技術が発展した比較的近年になってから広まりました。

サラダのドレッシングやステーキの仕上げに使われるほか、発煙点が高く高温調理にも向いています。オリーブオイルと同様にオレイン酸を豊富に含み、ビタミンEなど脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあるとされています。

亜麻仁油

亜麻仁油はアマ科アマ(フラックス)の種子から作るオイルで、原産地は中央アジアから地中海沿岸にかけての地域とされ、現在はカナダが最大の生産国です。アマは種子から採る油だけでなく、茎の繊維がリネン(亜麻布)の原料として古代エジプトの時代から利用されてきた歴史の長い植物です。

酸化しやすく加熱調理には向かないため、サラダのドレッシングやスムージーに少量加えるなど生食が基本の使い方になります。植物油の中でも際立って多くのオメガ3系α-リノレン酸を含むことで知られ、健康志向の食用油として近年注目されていますが、酸化を避けるため冷暗所での保存と早めの消費が推奨されます。